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​永代について語りたい!

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桜の見所スポットと美しさについて


 

 日本気象協会によると、2021年の東京都の満開予想は3月22日だそうです。江東区永代ではここ数日で満開を迎えたように感じます。

 永代の桜の見どころは、なんといっても黒船橋を中心とした大横川沿いではないでしょうか。両岸に並ぶ桜は数百メートルにも渡ります。川沿いの遊歩道では、散歩しながら桜の季節を感じることができます。また、深川観光協会がこの時期に開催する「大江戸深川さくらまつり」では、和船やクルーズ船で水上から桜を楽しむこともできます。永代から少しだけ離れてしまいますが、黒船橋のお隣の石島橋から東を向くと大横川に並ぶ桜を一望でき、美しさだけでなく妖しさを伴った迫力すら感じさせられます。また、永代橋の麓にも美しい桜を見つけることができ、一見の価値があります。



 さて、桜の“妖しさ”ついて描いた有名な小説に梶井基次郎の『櫻の樹の下には』があります。「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」という衝撃的な冒頭から始まるこの小説は、梶井が亡くなる4年前に執筆されました。梶井はこの時すでに、当時は死に至る病であった結核に冒されていましたから、美しさの中に死の気配を感じ取ったことも想像に難くありません。

 また、桜に美しさと妖しさを感じるのも、“別れ”の要素を多分にはらんでいるからではないでしょうか。桜の季節は進学や就職といった出会いと別れの季節でもあります。月並みな言葉ですが人生は出会いと別れの繰り返しであり、そこから逃れることはできません。死別や離別といった別れがあるからこそ、そこに至るまでの時間が尊いものとなります。

 さらに、桜は開花して散るまで1週間ほどの期間しかありません。その1週間の中に桜の美しさとの、出会いと別れがあります。それらは、早送りした人生の縮図のようにも感じられます。今年、永代の桜に出会うことができなかった人々も、また来年に出会うチャンスが訪れます。別れの後で新たな出会いがあるように。